大田の不幸は、蜜の味

人間の良くも悪くも現実的な部分。
それは「他人の不幸は蜜の味」。
勿論、こんなことを声大きくして発言でもしようものなら
顰蹙モノなのですが、反面、人間であれば心の隅にこのダークな現実が
潜んでいることに関しては誰もが認めるところではないでしょうか。
とはいえ、ここで人様の不幸を世間様にさらしてほくそ笑む度胸と勇気は
ガラスのハートの持ち主、蚤の心臓、典型的なA型である私には到底
持ち合わせているはずもなく、また、そのような趣味は全くお持ちではありませんことよ。
しかしながら、この抑えきれない衝動をなんとかしたい。
というわけで、題して「大田の不幸は、蜜の味」
自分で自分のことを不幸だとのたまう、ある種のナルシスト、大田。
人によっては「自分の不幸を世間の眼前に晒せるお前は実は幸せモノだ」と罵倒されるかもしれない男、大田。
このコーナーはそんな大田の失敗談を、軽井沢の春風に吹かれながらさわやか~にテニスを楽しむ
年頃のカップルをほほえましく見つめる老夫婦のような大人の余裕でご紹介し、読者の皆様の中に潜む
ブラックな、認めたくないその「人の不幸は蜜の味」が私は大好きなの欲求を、罪悪感を感じずにお満たしもう上げることを目的そして失敗するたびに後悔しながら公開してさらに後悔して参ります。
どうか、さわやかに、そして軽やかに、ニタニタアニータしながらお楽しみください。
第1回目は「質屋人としての初めてのデビュー戦」
忘れもしない。
あの日あの時あの場所で@カズマサ
今から9年前のあの時。
ある男性のお客様が金色の赤茶革ベルトの時計を腕から外しながら
「おい、ニイチャン。これでナンボ貸してくれる?」
まだ質屋デビューして1カ月もたっていない。
したがって、このお客様が持ってきた金色の時計がいくらでるのかわからない。
しかし、「わかりません」とは言えるわけもなく時計を見るふりをしていたあの頃。
文字盤には見たこともない学校でも習ったこともないアルファベットが並んでいる。
今なら一瞥しただけでわかるその名前も、その時は「???」だった。
その瞬間、私の脳みそは一つの判断を下す。
『お客様。この時計は金ではありません。よって、1円も出ません』
その瞬間、お客様は烈火のごとくお怒りになりながらこういった。
な~に~、やっちまったなぁ@ポコ
とはいわず
「なに~!これはボーンメルシーぞ!高けーんぞ!18金ぞ!え~い!親父呼んでこーい!!!」
『はい?ぼぼ・・ぼーんめるしー?フランス?』
これが初めてお客様に怒鳴られた日になった。
親父が血相を変えてお客様に平謝りし返す刀で、
”あほ!これは金無垢やねえか!ボームメルシーったい!”
と叱られた日にもなった。
これが質屋人生の最初の失敗であった。

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